2017/04/21(金)
サイコー(再考)! アイシング。 その2(2/2)
カテゴリー:スポーツブログ:プロから育成まで、身体運動を科学する
実家にて、
アイシングのお話part2です。
今回は、
2.外傷発生以外のアイシング・クーリングの考え方
です。
応急処置以外に体全体、もしくは一部分を冷却することがあります。こちらはクーリングと言って、疲労回復やオーバーユース(使いすぎ症候群)予防の効果があります。
運動後は筋内に疲労物質がたまります。クーリングによって※疲労物質の増加を抑えることができます。保温、温冷、ストレッチングなどとの組み合わせで疲労が溜まりすぎないようにする必要があります。
また、オーバーユース予防の観点からもクーリングは重要です。
バスケット競技で多いのが、ジャンパー膝(膝蓋腱炎)やアキレス腱炎。腱組織にストレスがかかると、小さな損傷が起きます。上記で述べたように、損傷組織には自己修復能力があります。修復しきる前に新たな損傷が生じると、損傷部位に新しい血管が入り込んできます。そして腱が肥厚してきます(変性)。そうなると、少しのストレスで痛みを感じてしまったり、筋肉の収縮力をうまく伝達できなくなったりします。そうなる前にクーリングが必要です。
以上のような話を選手にしました。
スポーツは自分の体が資本です。自分の体を自分でケアしていくことの重要性が少しでも伝われば幸いです。
※疲労物質について
疲労を感じさせるもしくは疲労により機能を低下させる物質、ファティーグ・ファクター(FF)というタンパク質が発見されました(2008,近藤ら)。FFは蓄積により細胞死を促進する働きがあります。さらには、生活習慣病の原因になるとも考えられています。
因みに、無酸素性運動後に筋肉内に蓄積する乳酸は疲労物質ではなく、エネルギー源であるとされています。乳酸はブドウ糖を分解してエネルギーを算出する際に筋内に生成されます。血中に流れ出た乳酸は肝臓でブドウ糖に変化して、再びエネルギーとして利用されます。
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